SPECIAL INTERVIEW Vol.1 -なぜフランスブランドに惹かれるのか - PART2
「北欧展」「フランス展」など、
毎年数々の海外展を成功に導かれている、
ジェイアール名古屋タカシマヤ 井澤卓也さんと
コフレスタイルのバイヤー 渡邊香の対談を
お届けします。
“SPECIAL INTERVIEW -
なぜフランスブランドに惹かれるのか - PART2”
として今回は、「フランス展2021」の商品セレクトを
起点に、お話をお伺いいたしました。
Vol.1と合わせてお楽しみください。
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フランス展@JR名古屋高島屋
渡邊 :フランス展では、どういったところに
こだわって品揃えをされたのですか?
井澤さん:フランスと言ったら、皆さんご存じの
シャネルやエルメスの歴史があって、
燦々たるデザイナーがいます。
フランスを代表するブランド、皆さん
もご想像されますよね。
私がこだわっているのは、生活雑貨の
ときも、そのブランドのお客さまたちにも
納得していただける品揃えにすること
です。
渡邊 :この状況下の中でも、フランス展に数多く
のブランドが出展されていて驚くと同時に
エネルギーを感じました!
きっと大変なご苦労があったかと
思います。
井澤さん:いつもはフランスに行って、
フランスで見つけてきて、それをなんとか
輸入して店頭に並べるというやり方を
しているんですけど、今回はそれができま
せんでした。
実は、シャネル、エルメスでコサージュを
作られている方がいらっしゃって、その方
の商品を今回たくさん輸入しているんです
ね。シャネルの代表的なコサージュを
オートクチュールで作っていらっしゃる方
とプレタポルテで作っていらっしゃる方と
デザイナーが違うんですけど、今回は
オートクチュールの方に初めて接点を
持ち、プレタポルテの靴のコサージュを
作ってる方をご紹介いただきました。
そして、一流のブランドから一流と認めら
れている作り手の方にフランス展に
出ていただきました。
たとえ名前を聞いたことないブランドの
出品者でも、よくよく話を聞いていただく
と「シャネルのコサージュを作ってる
んです」というふうに、シャネルや
エルメスを使っているお客さまにも
新しい発見があると思いますよ。
そして、それを使うことでその満足感を
上げていただきたいです。
通りすがりにシャネルの撮影に出会う@Parisにて
渡邊 :私はシャネルが好きなんですけど、
その中でもガブリエル・シャネルの人生の
フィロソフィーにすごく惹かれて、
それから段々とフランスブランドの魅力に
はまっていったんです。シャネルが言った
「私は流行を作ってるんじゃないの、
私はスタイルを作っているの!」
というまさにこの名言こそ、シャネル没後
50年が経った今でも、私たちのバイヤー
業務にも生き続けているんじゃないかと
思っています。
今回のフランス展でいろいろな歴史ある
有名なブランドだけではなく、無名だけど
生活の中にあるいろいろな商品をセレクト
されていて、そして作り手の話を紐解いて
いくと、こういうブランドとのつながりの
背景や歴史があったんだと
気づかされたり。
井澤さんの“シャネルやエルメスを好きな
お客様が見ても、こういう生活雑貨であれ
ば納得できるということが、品ぞろえの
判断基準。”は目から鱗でした。
そのあたりのこだわりをもう少しお聞きし
たいです。
井澤さん:期間限定のフランス展になると、ブランド
が正式に出展する際のCIとか見え方とか、
この催事売り場で展開していくのは難しい
です。
また、フランス展にお越しいただく
お客さまの中には、私がシャネル、
エルメスで接客したようなお客さまで
新しいものを期待されてお越しになります
ので、実際に「雑誌で見た、SNSで見た
アレを紹介してくれないか」と、
お問合せを受けるんですね。
これはハードルが高そうだなとか、
ブランドがお抱えで難しそうだなとか、
そういうブランドが数多くあるんですけど
フランス製のこういうものを揃えるには
ハードルが高いとあきらめずに、
何とかご紹介したい。
いろいろな角度から、現地の知ってる人に
口を聞いてもらい、様々なつながりから
出会いがあって、ようやく商品にたどり着
きます。
それぞれの分野で一流を目指している
作り手は、実は一流メゾンから依頼を
受けてその商品をつくっている・・・
そんな商品を取り揃えています。
渡邊 :フランスの中でもパリは、古いものも
新しいものも、中世のモニュメントと10代
のクリエイターたちの物が一緒に展示され
ている美術館があったりしますよね。
私が手掛ける「コフレスタイル」の
「コフレ」はフランス語で「宝物」という
意味なんですが、まさにパリの街自体が
宝箱みたいで、その街の中にあるモノに
魅力を感じて、この仕事を20年以上続けて
います。
そう、まだまだ飽きない。深く掘れば掘る
ほど、発見があったり。そういう中で歴史
だけじゃないつながりを感じることがあり
ます。
オペラ座_歴史ある建物の前を現代の車が走る@Paris
井澤さん:フランスには伝統と歴史が多方にあって、
現代にあった商品を作り続けています。
イギリスも伝統があるところは多いですけ
ど、フランスには日本人が憧れる要素が
ありますね。
歴史だけではこういうふうにならないと
思うんですけど、やはり貴族の文化が
あって、貴族が豪華に贅沢に使っていた
ものが今も残っていて、今風に商品化され
ている。
その昔、贅沢で希少価値あるモノを持つこ
とで貴族たちは満たされていたと
思うんです。一点一点手作りをして、
その手作りの技法にフランスらしい技術や
デザイン性があり、フランスらしさが
反映されているところが日本人にはグッと
くるという!
渡邊 :そうですよね。
ここ(胸)にひっかかりますよね!
心のひだが震える瞬間ですね。
ご多忙のなか、この対談で貴重なお話を
お聞かせいただき、本当にありがとう
ございます。
<感想>
第一回目のゲストはジェイアール名古屋タカシマヤ
フランス展バイヤー 井澤卓也さんでした。
フランス展開催の舞台裏という貴重なお話を教えて
いただいたことはもとより、フランスブランドに
魅力を感じている理由を聞いていただき、とても
幸せな時間でした。その場にいたスタッフ全員が
井澤さんの言葉に共感し、心から頷き、
胸が熱くなり涙目になる者もおりました!
井澤さん、ありがとうございました。
これからも「コフレスタイル」を通じてフランス
ブランドの魅力を配信していきたいと思います。
2022年のJR名古屋高島屋でのフランス展は8月に
開催予定です。
また、お会いできる日を楽しみしています。
フランス展@JR名古屋高島屋